「ふぅ…とりあえず、行ってきます。」




















高校生活が始まってから、早二ヶ月。

いつも早起きに悩まされている朝練は、今日は無い。

久しぶりに普通の時間に登校するために何だか新鮮な気分だ。



「あれ?もしかして君、十二支の人?」

不意に呼び止められてくるりとそちらを振り向く。

「あーやっぱりそうなんだ、その制服。あ、ごめんごめん。あたしはこの隣に越してきたんだ。

 名前はっていうの。…君は?」

「…犬飼冥」

「冥君だね、よろしく!……あの、よかったら…一緒に学校まで連れて行ってくれると嬉しいんだけど…」


何だか、不思議な違和感を感じる少女だった。

懐かしいような、そうでないような。……どこかで会っただろうか?

でも、どうしても記憶からは出てこない。単なる思い過ごしだろうか。


「……ああ、別に良い。」

「ありがとー!実は道わかんなくって、どうしようかと思ってたんだ。」


本当は女子を連れて学校へ行くのは色々な面で気が進まなかったが、

彼女が本当に困ったような顔をしていたのでついつい承諾してしまった。


セレナは、もともと孤児院に居たらしい。

今迄、一度たりとも本当の親の顔は見たことが無いと言う。

今度の引越しも、今迄お世話になっていたホストファミリーと訳あって一緒にいられなくなったため、

うちの隣の家に引き取られたのだという。


……だが、その顔にはそんなことを一切思わせぬ笑顔が、瞼に焼きついた。





「あ。」

転校生紹介で目の合った彼を、あたしはつい凝視してしまった。

確かに、今朝此処まで連れて来てくれた彼である。……同じクラスだ。



「席は……あぁ、犬飼の隣に行ってくれ。」



ラッキー。一言で言えばそんな感じだ。

あたしは颯爽と彼の隣に腰を下ろすと、

「またよろしくね」

そういってにっこり笑った。




これからの高校生活は楽しくなりそうだ。







































Do you believe in distiny ?





























貴方は運命を信じますか?


























































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あとがき

一度やってみたかった、魔女ネタ。やっぱいいですよね、魔女!

魔法使いてー!(アバウトかつシンプルな願いだ)


Do you believe in distiny?

貴方は運命を信じますか?


間違ってたらごめんなさい。自信ないです。

というか間違ってたらすぐさまこっそりとBBSに報告してください…。


*輝月