「もうハッキリ言ってよ……!」

顔を真っ赤にして言うが、あくまで彼は何の話だ、と言う風に首をかしげている。

「何言ってんだ…?うん?」

「何って…あたしに言わせる気!?」

「んなこといわれても分からないものは分からねーんだよ。うん」


一瞬だが、彼に本気で殺意を覚えた。
















































一 晩 の ア ヤ マ チ ! ?












































「いやぁぁああ!」


……と叫びたかったのを寸での所で何とか押さえ込んだ。

うとうと、夢の中では最高においしい食べ物にありつこうとしていたために、

眠い目を薄らと開けた先の光景とのギャップに本当に心臓が止まるかと思った。



「何……コレ……。」



記憶にない…。断じて記憶にありませんから……!



「う…ん……」


ベッドの僅かにギシ、と鳴った音に反応してそこにいた人物がゆっくり目を覚ます。

出来ることなら、その意識が完全に覚醒する前にどこかへ行ってしまいたい気分だった。


「あれ、起きてたのか。うん……」

大きく欠伸をしながら起き上がる。

「何で……デイダラ…。」

「……うん?」

「何でデイダラが此処にいるのよ…。」


デイダラはまだ目覚めきっていないようで眠気眼を指でぐしぐしこすると、漸くこちらに向き直った。

何で。何でデイダラが自分と同じベッドで寝てるんだ。


「何でって……一緒に寝たから?…うん?」


覚えてないって……。いや、記憶にあっても抹消しているに違いない。

だって何でわざわざ上着脱いでこの薄手のタンクトップに短パンなのよ…。

これって…もしかしなくても…(あ、あんまり言いたくないけど………)




「(こいつと一晩の過ちを犯したってこと……!?)」




――…ちょ、あんた…それホップから大事なステップ抜かしてジャンプしちゃってるよ!!


考えるだけで顔が青ざめるがしかし片方で、一体何があったのかと赤くなってしまう。

ひとりで頭を抱えているあたしにデイダラがこともなげに言う。


「にしても…サソリの旦那は仕込みに使う毒以外にも薬作れんだな。うん」

「サ、サソリ…の……薬!?(だから記憶ないのか…!)」

「ああ。良く効くヤツだったらしくて……ホントに良く効いたみたいだな…うん」


ああ………。

今すぐにでもこの男を殺したい。

よ、良く効くやつって……薬まで使ったとは許せん!あ、いやそれでなくても許せないけど!!


、何だか可愛かったぜ…うん」


へらっと笑ってデイダラは言う。もう寧ろこの場で死んでしまいたい…。

死因は…羞恥死?んなもんないって…。っていうか死んだら未練残り過ぎよ!


だんだん考えが矛盾してきているである。


「ししし知らない!本当に何も覚えてないぃー!!」

「何かショックだな…うん。あんなに優しくしてやったのに…」

「優しくって何よ!もーいいよ聞きたくないから!」

「な…何怒ってんだ?。」


漸く困惑の色を浮かべてきたデイダラにイライラしているが、これ以上何も聞きたくない。

寧ろ、この事実をなかったことにしたい……あぁ…悔やみきれない…。







「ねぇ、デイダラ……。」


でもやっぱり、確認しておかなくちゃ。


「あたし、本当に……」


やっちゃったんですかい?


「何だよ。ハッキリいわないと分かんないぜ。うん」



「もうハッキリ言うのはあんたでしょうが……!」

顔を真っ赤にして言うが、あくまで彼は何の話だ、と言う風に首をかしげている。

「何言ってんだ…?うん?」

「何って…あたしに言わせる気!?」

「んなこといわれても分からないものは分からねーんだよ。うん」


一瞬だが、彼に本気で殺意を覚えた。


「だーかーらー…!」


もう、腹をくくった。よし、大丈夫。………じゃないけど!


「昨日何があったのよ!」

「……は?」

「もう何でもいいから!昨日何があったのか教えて!」


あいたたた…言っちゃったよ…。

自分でもそう思った。デイダラは黙ったままだ。でも今の状況で顔色なんて伺えるはずも無い。


「お前…ほんっとに何も覚えてねーんだな。」

「うん。」

「まぁそれも仕方ねーか…。相当可笑しかったからな…。うん」


だからそれはあんたがサソリに頼んで作らせた薬のせいでしょうが!

…と突っ込みたくなったが、取りあえず話を聞かないことには何も言い返せない。


「一から話すぞ?」

「お願いします。」

「ったく…めんどくせーな…うん」


デイダラは軽くため息をついて後ろ頭を引っかくと、遂に口を開いた。

























「だから、お前は昨日任務から帰ってくるなり……」

「……うん…」

「……風邪で倒れたんだよ。うん」
























「え?風邪?」


―――……はい?


「そう。珍しいよな、お前にしちゃあ。うん」


………今のは聞き間違いでもなんでもなく?


「ただの風邪……」

「にしてもオイラがあんなに優しく介抱してやって…旦那まで解熱剤調合してくれたってのに…

 全く覚えてないってお前薄情すぎんぞ。…うん!」


「介抱……解熱剤……」

「良く考えたら任務中も意識薄かったからな…。……あれ、どした?うん?」


気が抜けすぎて何も言う気力も起きなくなる。

風邪?ただの風邪だって?サソリの調合したのは解熱剤?


「でも何でじゃあデイダラが同じベッドに寝てて…おまけにあたしはこの格好なのよ。

 …あんたが脱がせたとか言うんじゃないでしょうね。」


「バカ言うなよ。お前が勝手に脱いだんだよ。暑いとか何とかぬかしてたぜ…うん。

 しかもオイラが出て行こうとしたら服掴んで行かないでとか言ったのもお前だぜ。」



…仕様の無い…。本当にとんだ勘違いだ。

可笑しかったのは自分のほうだったのだ。デイダラが首をかしげるのも当然……。



「な…んだァ……あたしの思い込みか……」

「第一何ではさっきからそんなに怒ってたんだよ。うん?

 思い込みって…なんだ?」


「アンタのせいで余計な心配しちゃったのよ!」

「余計な心配……?」


デイダラはふと首をかしげる。


「もしかして……」


デイダラがをじっと見る。思わず後退したくなったが無情にも後ろは壁である。


「オイラが隣に寝てたから何かあっ「ああああぁぁ!おっかしーなー何も聞こえなーい!」

「…………」


デイダラが怪訝な目で見つめてくる。


「今のは冗談だったんだが……もしかして本気だったか?…うん?」

「…………(ち、ちくしょー…!)」


反論すればよかったものの、真っ赤にした顔でものを言ったところで本気にしてもらえるわけが無い。

下唇をかみ締めて、手に力を込めて、ただただ俯いているしかなかった。


「なんだなんだ…まだ熱でもあんのか…?……それとも…」

「……うえ?」


肩をぐいと引っ張られ、次の瞬間には枕に後頭部を埋もれさせていた。


「こういうのちょっと期待してた?うん?」


眼前にはニヤりと笑ったデイダラのドアップ。


「うん、昨日の熱っぽいも可愛かったけどやっぱ……いつもののが可愛いな。うん。」

「あ…ちょっ…と…」

「オイラは別に構わねーけどな?このまま続けても。うん」

「も…ム…リ」



心臓がバクバクして、口から飛び出るんじゃないかと思った。

デイダラの半分冗談だが半分は確実に本気な目を見ていられずに…

は、ガク、という効果音が似合いそうなほどにパタりと意識を手放した。

デイダラはわけも分からず「うん?」と言ったが、直に小さなため息をつき

「ちょっとやりすぎたか。」

と一人ごちると、また気絶してしまった彼女の看病をしなければならないことに気付いて

結局元のようにベッドの中に潜り込んだ。












朦朧とする意識の中では、ぼんやりとひとつのことを考えていた。

今日の日記には最悪の一日だった、と一言だけ書いておこう、と。



































































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あほがき

ギャグ…ギャグ甘です…。エロではありません(主張)

いやまぁ、さんが言わんとしている内容とか、デイダラの言葉を勘違いしちゃうところとか、

遠まわしにちょっとエロくはありますが…。分からない人はそのままでいいよ!(大半の人は分かると思いますがw)

この位なら大丈夫だよね…?だって皆思春期だk(関係ない)

というか輝月もまだ中坊なので詳しいことは知らんとです。ハイ。

デイダラ一人称はオイラ派です。何か知らないけどオレになってたよね。うん。


*輝月

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