.。゚+.クラピカ夢。+.゚






























「いてっ」

何かが足にコツンとあたった。


玄関を出た瞬間だったため、吃驚して止まった。




足元あったのは、赤がベースの色使いの包み紙であった。

はそれを拾い上げる。


「いつから落ちてたんだろ…」


雪の上に取り残されたように落ちていたプレゼントらしきそれは、
全体的に湿り気を帯びていた。


まだ渡されていなかっただろう。それは未開封で綺麗なままだ。

受け取った人はまだ気付いていないのだろう。
しかし、あげようとしていた人のほうはさぞかしがっかりしていることだろう。



愛しい人のために、買ったプレゼント、渡すことが出来ぬままだなんて。







は、改めてそのプレゼントを見てみた。
ふと、裏になにやら書かれていたのだ。





[From curapikt]






「クラピカ…こんな所に落として…誰にあげるつもりだったんだろ…」





































はぁ…。


喫茶店で小さく息をついて、クラピカはそっと、窓から外を眺めた。
楽しそうに歩く人々で街はいっぱい。
そしてこの喫茶店内も、クリスマス風に飾りつけられている。
中にいる客は、無論カップルが大多数だ。




そんななか、一人ぽつんと席に座っているクラピカは、たいそう寂しそうに見えたことだろう。




クラピカはまた一つ、はぁ、とため息をついた。
今日のことは、一番やってはいけないことだったのに。

いつもなら冷静な自分。だが、の家にいって少なからず興奮していたに違いない。

だからキルアの挑発も、そっとしておく余裕が無かったのだ。

















もとより、本当は、一人で行こうと思っていたのだ。

















しかし、商店街でキルアがプレゼントを持っていたのについ声をかけてしまった。

答えを聞けば、これからの家に行くというのではないか。







「そういえばクラピカも持ってるけど…もしかしてセレナにあげんの?」






言われた瞬間ぎくりとした。




こういうときばかり、キルアの勘は凄い。


これからの家に行くということをバラさざるを得なくなってしまったクラピカは、
しかたなく、全てを話したのだった…。





だから、しかたなく二人で行こうと言う案をだしたのだった。





それに賛成しなければ、今日はの家にいくことすらできなくなると思った。
内緒でいくなんて、此処までバレてしまえばむりだ。


―こいつなら今日一日押しかけても可笑しくあるまい…

下手をすれば、クリスマスにの顔さえ見れなくなってしまう。













そう思って家に行ったはずだったのに。
私はどうしてここにいるんだ…。









オマケに玄関先でフェイタンと合流することになってしまったではないか。











クラピカは、頬杖をついたままもう一度窓の外を眺めた。






















―と。






















ふと、街を見渡す目がとまった。















…?」











そこには、喫茶店の前でうろうろするがいたのだった。



一体どうしてこんな所に?








クラピカは、喫茶店の窓をコツンとたたいた。
音に反応したはふと、喫茶店の窓のほうへ目を向ける。




そして、はっとしたように入り口から入ってきた。





「クラピカ…みっけた」





少々息が上がっているようだ。ここまで走ってきたのだろう。


「どうしたんだ?は家にいるはずでは…」



向かいの席に腰を下ろした
ウエイトレスにコーヒーを一つ頼むと、やっとクラピカの方を見た。










「…これ」










が差し出したのは、一つの包み紙。










―見覚えがある…もしかしてそれは。











クラピカが、にあげようと思っていたプレゼントではないか。






クラピカは上着のポケットを探った。















無い。


















確かに、あの時このポケットにプレゼントを入れて、に渡そうと思っていた。
渡した覚えは無いぞ。…それなのに何故がプレゼントを持っている?



―そうか、おとしたんだ、あの時。


が大声を張り上げて私達を怒鳴りつけ、吃驚して皆がドアから飛び出したとき。
このポケットがあまり深くなかったせいだろう。




が突き出したプレゼントを見、私はそれを片手で制した。











「それは、が持っていてくれないか」

「いやよ」

「……え?」




正直、クラピカはずっこけたい気分だった。
…いや?


予期せぬ答えにふらりとするクラピカを尻目に、少し寂しげな顔つきでが言った。






「…だってこれ、誰かにあげようとしていたものでしょ?そんなものもらっても嬉しくないし…さ。
 今日は来てくれてありがとう、って言いたかっただけだし」




はいたって真剣な顔つきでプレゼントを机に置くと、少しうつむいて、
またクラピカのほうを向くと、じゃ、といって席を立とうとした。






















「待て、























ぐいとの腕を引き、そして軽くクラピカは笑った。



「な、何が可笑しいのよ!」



は至極恥ずかしそうだ。












、ちょっと勘違いしているのではないか?」

「何をよ!」

「じゃあ、一つずつ考えてみればいい」



クラピカは人差し指を立てて、に問いだした。


「まず、これは誰のプレゼントだ?」
「クラピカの」

「こういうプレゼントは、普通どんな人にわたすものだ」
「…大事な人とか…家族とか」

「そうか。じゃあこのプレゼントは何処に落ちていた?」
「私の家の前」

「ということは、その持ち主がに渡そうとして
 の家に行ったということではないのか?」











そこまでいって、一度言葉を切る。
は段々状況を理解し始めたようだ。

初めはあわてた様子だったも、今やほぼ状況を理解しただろう。




「…ってことはあの時、クラピカはこんなに素敵なもの、私にあげようとしてたの?」

「…当たり前だ」







は下を向くと、真っ赤になって自分がとんでもない勘違いをしていたことに気がついた。
よくよく考えてみれば、の家にやってきたとき、皆プレゼントをもっていたではないか。












勿論、クラピカも。














クラピカはそんなを見てまた少し笑い、それから開けるように促した。

が包み紙を破かないように丁寧にテープを取っていくと、

中から現れたのは箱だった。






開けてみる。






すると、中から出てきたのは金色のペンダント。
ペンダントトップには、ルビー色に輝くものがついていた。






「…もしかしてこれ、本物とかじゃないよね…?」

「すまないな、私の手金ではそこまで払えないよ」



不満だったか。

ちょっと気を使うように、半分は面白そうにクラピカがたずねると、
は何ども首を横にぶんぶん振った。




「とんでもない!…クラピカからもらえればコレで十分だよ」

「そうか。よかった」

「あ、そういえば」



は気付いたようにはっと顔を上げた。



「私クラピカに上げるもの買ってなかったよ…」

「いいんだ、そんなもの」

「だめだよ!私もなにかお返ししないと…クラピカ、何かしてほしいこととかある?」

「…なんでもいいのか?」

「(ぐっ…)いいよ!」

「それじゃあ…」




クラピカは立ち上がり、の手を引いて喫茶店を出た。

お金は後で払うからと、店員に言い残して。





「ちょ…クラピカどこ行くの?」

「くれば分かる」





















着いた先には、大きなクリスマスツリーがそびえていた。

毎年のこと、商店街の真ん中には見上げるほどのツリーが立つのだ。





「すごー…」





外はもう暗くなっていて、イルミネーションが綺麗に輝いていた。
見とれるのほうを向いて、クラピカは言った。







「何?」

























瞬間、クラピカはの頬にキスをした。






































「ク、クラピカ!」


真っ赤なを見て、自分もちょっと照れる。クラピカはに言った。





、好きだよ」

「えっ…わっ、私も!」





えへへと笑って、顔を真っ赤にした

それを見て、幸せそうに笑うクラピカ。



















二人の笑顔はクリスマスツリーのイルミネーションに照らされて


























赤に緑に輝いて。




























その笑顔は誰にも邪魔することは出来ない。






































二人だけのもの……






















































+++++
あとがき
クラピカ夢でした!
…と言うかピカさん。公衆の前面ですよ!(爆)
壊れピカさんですみませんでした(^_^;)

ご希望のキャラへたどり着けましたか?
他の場所では、他のキャラたちが待っていました。
クラピカとさんは無事にクリスマスを過ごすことが出来たようです。
よろしければ、他のキャラの所へも行ってあげてください…w