.。゚+.シカマル夢。+.゚





























が電話をかけた相手…それは、シカマルだった。


ベルは数回鳴った所で止まり、女の人の声が聞こえた。







「はい、奈良ですが」





てっきりシカマルが出るものだと思っていたは、



「あっ、あっあの、ですけど…シカマル君いますか!?」


などとカナリあせった声を出してしまった。





「フフフ、ちゃんね。シカマルは…もしかしたらまた寝てるかもしれないわね…。
 ちょっと起こしに行って来るからまっててね。」




といって、シカマルの母はシカマルを呼びに行ったらしく、
パタパタという音を出していったのを確認すると、は一つ、ため息をついた。

















シカマルとは幼馴染なので、別に電話をしてもなんら怪しいことはないのだ。

こういう点では、幼馴染は良いと思うのだが……



また、はふぅとため息をついた。


なぜなら、よく聞くからだ。










“幼馴染はそれ以上発展しないことが多い”と。













そう思うと落ち込む。















がそんな風に思考をめぐらせていると……



「…?」



シカマルの声で現実に引き戻された。


オマケに




「ひゃうあっ!!」



などという声をだして…。



「プッ……なんだよ、今の声。で、何のようだ?」


シカマルは笑っていた。


「あ…あのねシカマル……」



は恥ずかしさのため上手く言葉に出せずにいた。

受話器の向こうから、シカマルが机を指でコツコツとたたく音が聞こえた。




―きっと、なかなか言い出さないことに飽き始めているのだろう。


いつものことだ。





「…おい?用が無いならきるぞ…?」


「えっ!?あっ、ちが…あのさシカマル…!!今日、どっか行かない!?」




折角電話をしたのに切られでもしたらたまったものではない。
とっさに言ってしまった。



「…何だいえるじゃねぇか。オッケー、めんどくせぇからいつものとこでな。じゃっ」

「あっシカマル!?」





そういったか否か、もう受話器越しにシカマルの声はなく、
ただ冷たくでツーツーと電子音が鳴っているだけだった。




「……」



なんか複雑な気分になっただった……。


























































「……シカマル遅いなー…」




待ち合わせ場所で待っていても、なかなかシカマルは来ない。
さっきから、何度腕時計で確認したことだろう。

ひょっとして腕時計が狂っているのかもしれないと、広場の時計も見てきた。






しっかり十分過ぎていた。







「はぁ……本当に何をやっているのか…。」


そんなことをぶつぶつつぶやいて足元を見ていた。













すると…




























「君さ、彼氏待ち…?」


イキナリ声をかけられた。聞きなれない声だ。




「えっ?」


は驚いた顔をして顔を上げた。
すると、の前には五人、思いっきり不良な若者がいた。



「へぇ…君結構可愛い顔してんじゃんよ?どうせ彼氏まってんだろうけど
 つまんないだろ?オレらと、どっか遊びに行こうぜ。」


といって、の腕を掴む。



「…いたっ…はっ離してよ!」


内心、穢れるー!と叫んでいたは、思い切り腕をぶんぶんとふって、
振りほどこうとするのだが、女の力では到底かなわない。








「(たすけて…シカマル!!)」














は必死に叫んだ。

口から出てくるのは悲鳴ばかり。



漫画じゃこんなとき、かっこよく彼氏が助けてくれるんだ…






現実ではどうなんだろ…










































「てめぇら…何してんだ…?」







































聞きなれた声に、はじかれたようにが顔を上げた。





















「シカマル!!」


























「ちぇ、彼氏登場かよー!…でも、オレらこれから遊びに行くんだよ。ねぇ、おじょーさん?」

そういって、男らはの腕を引っ張った。

「いたい!」


と、は叫んだ…か、否か。
の腕から男の腕が離れたのだ。


いや、シカマルによって、はがされた。


の手は見事なほどに赤くなっていた。



「なっ、何すんだよ!」

の手を掴んでいた男がシカマルをぎらりとにらんだ。











「何した…だと?てめぇらこそ何にてぇ出してんだよ!!
 …オレの女に手ぇだすんじゃねぇ!!







そういって、睨み返すと、

「…!てめぇ…覚えてろよ!」

そういって男達は無様にも背を向けて逃げ出したのだった。





ひと段落着いて、はそっと、シカマルの顔を覗き込んだ。




……大丈夫か?」

シカマルは心配そうな顔をしていた。

「うん…平気」

「そっか。じゃ…いくか」



そういって、シカマルはさっさと歩き始めた。
その背中は、そっけなさを感じさせる。


「シカマル」

「なんだ?」


素っ気なさそうなシカマルの声には一瞬悲しみがこみ上げた。

だが

「ありがと」

満面の笑顔で、そういった。

いつの日だったか、シカマルが「好き」っていってくれた、この笑顔なら、
シカマルの機嫌を直せると思ったからだ。

そのの予想は的中し、みごとシカマルの機嫌を直した。





「それからこれ、お礼ね!」





シカマルの頬に軽くキスをして、
そして胸にプレゼントを押し付けた。




そのときのシカマルの顔は見えなかったが、
相当真っ赤になっていただろう……。









そして、その後シカマルは




「やっぱ、オレん家来いよ」


といって、を連行していったことも、その後どうなるのかも、
全く予想もつかなかっただった。





















































*****
あとがき
しめきりに間に合うように、と急いでかいたので文がヘンに!
展開早過ぎですね、すいませーん(^_^;)

+鬼亞+





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*輝月より
鬼亞の書く文章は本当にギャグで面白いです!
PCに打ち出している最中何度も笑ってしまいました!
「いえるじゃねえか」のシカマルの台詞は特に…。
そこで笑えた方、きっと輝月と趣味が合いますw