Merry
X'mas


































「メリー、クリスマァス!」

「な…何やってんのよ…」




チリン、と玄関のチャイムがそっと鳴ったから、いつになくおとなしい客だと思ってドアを開けた。
一面の銀世界に反射する日光で初めはよく見えなかった光景が、露になるにつれての顔は
喜んでいるでも、泣いているでも、怒っているでもなかった。



ただ、その光景に唖然とするばかり。



あんぐりと開けた口を閉めることも忘れ、は突っ立っていた。








訪問者は、他でもないいつものメンバー。






「よっ、セレナ!」
「今訪問しては邪魔だったか…?」
「プレゼントもてきたよ、





上から順に、
キルア、クラピカ、フェイタンである。






え…。



全員が手にプレゼントをもって来ていたのだ。





















は取り合えず皆を中にあがらせることにしたのだった・・・。















コレが間違いだったことに気付くのは数分後。














わずか五分後に、キルア騒ぎ始めたのである。
すっかり、部屋で待つことに退屈していたようだった。

当の本人はじしつでこれからどうしてやればいいかうんうん唸っている間にだ。

クラピカはそのキルアをややとめに入りつつあり、
フェイタンはお構いナシに読書だった。



「ったく、クラピカもセレナんちに来たんだから思い切り騒げば良いのに」



クラピカは赤くなった。




そして、遂にが自室から出てきたときのことだ。



「…どうしたのこれ…」


見れば見るほどひどい有様である。



ふざけあっているうちにそこらじゅうが乱れ、
とめに入るクラピカは段々勢いを増して、今や部屋を乱すのに加勢しているかのようだ。
フェイタンはつい先ほどまで本を読んでいたものの、
二人の騒がしさにクラピカと同じ状態である。




あまりに大騒ぎしていたものだから、誰もが戻ってきたことに気がつかなくて。
ふと、フェイタンが気配を感じ取り、騒ぐのをやめたとき、
それを不思議に思った二人も何気なくフェイタンの視線を探った。

その先には、拳を固めてわなわなと震える








「……?」







皆がかける声にこたえず。はあっと大きく口を開けたかと思うと、
物凄い音量で皆に怒鳴ったのだった。






































「で て け ーーーーーー !!!」








































普段めったに怒鳴らないだから、四人は唖然としてしまったのだった。
そして、促されるままに宅を追い出され、
ぽつんと雪の上に取り残されてしまったのだった。








「…ごめん、オレ騒ぎすぎた…」
「私も我を忘れていた…」
「前に同じね…」







三人とも、其々の反省の気持ちを深く心に、誰からともなく宅を後にした。













一方は。











「あーあ…。なんで怒鳴っちゃったんだろう…」


一人いすにもたれて頭をかかえるを励ましてくれる人はもう、自らが帰してしまった。
あまりに吃驚したから。

それは、部屋が乱れていたことだけではない。



…あの人が、私の家なんかにわざわざ訪ねてきてくれたからだ…。



それで、ドキドキしていて。


つい、正直になれなかったのだけれど。




今となっては後の祭り、後悔してもしょうがないことだった。
は何を思ったか、勢いよくイスから立ち上がり、自室へと向かった。










「(だめだ。やっぱり、謝ってこなくちゃ)」










そう思って、コートを取って。マフラーを無造作にぐるっと首へ巻きつけると、
毛糸の雑な繊維が少しちくちくした。そして、毛糸の手袋をはめて。
外はまだ晴れている。今ならあそこを探せば彼はいるだろう。



は、日頃の勘を頼りに、思いの彼を探すのだった…。















公園へ

喫茶店へ

図書館へ





貴方の希望のキャラが何処へ行ったか予想してみてくださいw


まぁ、大体分かると思いますが…。